掘削機械をかかえた重機が
涎をたらしてやって来る
秩序としての建物を
たたきつぶす純真がある
海辺で水着姿の男女が飲むカクテルが
もう機械油
帰るホテルはないと海に身投げするも
工事現場の土砂があるだけ
うなずいて夏が閉じ 秋のない冬が来て
すべてはコンクリの下で眠った
掘削機械をかかえた重機が
涎をたらしてやって来る
秩序としての建物を
たたきつぶす純真がある
海辺で水着姿の男女が飲むカクテルが
もう機械油
帰るホテルはないと海に身投げするも
工事現場の土砂があるだけ
うなずいて夏が閉じ 秋のない冬が来て
すべてはコンクリの下で眠った
古い木の黄葉と落葉
を切り取っている窓辺
木机に置かれた手紙の
封を切れば
ふわりと先生の面影
文字は声になって響く
旧校舎の二階だった
板書する小気味よい音
教本を開いては
手首で型をつける
背表紙が教壇にあたって
カタッと硬い音を立てた
チョークの白と
先生の豊かな白髪は
とても近いとふと思う
手は鉛筆を持ったまま
宙で止まっていた
そのノートの白さもまた
窓の隙間から猫が顔を
のぞかせたので
あの日を追っていた
自分の心に気づく
猫に言い訳をしたい
また一枚の落葉
バスが地図の真ん中を割いてやってきた
車輪はもうもうと燃え上がり乗客は影だ
車掌が割れた窓から腕だけで名前を引きちぎる
自分の名前を乗せてバスは出発した
忘却曲線を強引に暴走して消える
あとは
名前をなくした自分とバス停
むなしい形骸、胃痙攣
無銭飲食しながら 胃は食堂に捨ておく
早逃げの足もないが呼ばれる名もない ただ
骨の可動域が人形のようにガクガクとして
わびしい
埋めこまれた悲しみは暴力で吐き出すしかない
全部が好きだったはずのきのうに戻れない
輪郭だけでは生きれないから