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2026/01/24

謹賀新年(千秋を寿ぎ)

ヘイ! タクシー
ピタッと付けるイエローキャブは
勝利の予感をムンムンにまとう

表示レバーをガキッと倒して賃走だ
行き先告げれば
運賃メーターも燃え上がる
運転手の横顔がアルチンボルト

腹の虫が騒ぐまえに
オアシスと女の絵が描いてある店で
血色のビアとぶっとい腸詰を買ってくれ
二枚でどうだと札を出す

ネオンのビームが怪獣を撃ち抜く
ヘリコプターが旋回する闇夜を
探照灯が容赦なくザク切りに
している下を駆け抜ける黄色い稲妻

角を曲がれば地獄の引きこみ線
有象無象の東京アウトバーン
日の出より明日より速く
楽園まであと何哩

ガタガタ揺れる揺籃のなか
落ちつかない靴裏で燐寸を擦って
タバコに火をつけた
極楽まであと何時

ウインドウおろせば
口から空へ紫雲たなびき
ミラクルな巨大仏が
スウと楽しげに吸いこんだ

蓮もさいて芳香もみちて
未知なる年の開闢に
タクシーごとぶっ刺さっていく
さあさあ千秋を寿ぎ献杯だ!

2025/11/26

重機と純愛

掘削機械をかかえた重機が 

涎をたらしてやって来る

秩序としての建物を

たたきつぶす純真がある

海辺で水着姿の男女が飲むカクテルが 

もう機械油

帰るホテルはないと海に身投げするも 

工事現場の土砂があるだけ 

うなずいて夏が閉じ 秋のない冬が来て 

すべてはコンクリの下で眠った

2025/11/21

日記帳

物干し場から屋根にのぼり
日記帳をかじれば
血の味がする

洗濯物のように
思い出がはためくのを見ても
心は化石のようだ

指先にとまった天道虫と
すみやかに同化する
そのなめらかな邂逅

浮沈する思考を
一気に粛清していく
巨大な白刃のひらめき

脳裏にあいた風穴から
密かに粘液が入りこんだとしても
思い出が難なく弾き返してしまう

2025/10/20

秋日一葉

古い木の黄葉と落葉
を切り取っている窓辺
木机に置かれた手紙の
封を切れば
ふわりと先生の面影
文字は声になって響く

旧校舎の二階だった
板書する小気味よい音
教本を開いては
手首で型をつける
背表紙が教壇にあたって
カタッと硬い音を立てた

チョークの白と
先生の豊かな白髪は
とても近いとふと思う
手は鉛筆を持ったまま
宙で止まっていた
そのノートの白さもまた

窓の隙間から猫が顔を
のぞかせたので
あの日を追っていた
自分の心に気づく
猫に言い訳をしたい

また一枚の落葉

象と布団

ベランダの象が
寝返りを打つたびに
アパートが瓦解していく
絶望感
長くはもたないだろう

まだ世界としてある布団に
深く潜ったまったまま
ゆっくりと床が落下していく
重力感
このまま落ち続けたい

雨戸を開ければきっと
暖かな日が差しこむはず
だがもう手は届かない
伸ばしたい手もない
闇から無闇へ漂うだけ

夜の雨がつくった海原で
布団がじっとりと重たい
象は寝息だけでそこに在る
硬い皮膚を折り曲げて
空を飛ぶ夢を見ている

2025/05/26

台所で待っている

台所で包丁の先から
孤独がしたたっている

浴槽で2人寝ている
たくさんのバラが散って
赤い床がきれい

冷蔵庫には3人冷えている
かんたんな日曜大工
Do it your self だ

天国だって改造すれば
地獄になる

憎悪のいちばん美しい
弾丸をこめる
やさしい瞳にとどめを刺すため

濡れた髪も思いも二度と
溶けることのない絶対零度へ

玄関はいつだって
開け放してある
おまえのために

2025/02/18

バスに乗せて(脱詩つき)

バスが地図の真ん中を割いてやってきた
車輪はもうもうと燃え上がり乗客は影だ
車掌が割れた窓から腕だけで名前を引きちぎる
自分の名前を乗せてバスは出発した
忘却曲線を強引に暴走して消える

あとは
名前をなくした自分とバス停
むなしい形骸、胃痙攣
無銭飲食しながら 胃は食堂に捨ておく

早逃げの足もないが呼ばれる名もない ただ
骨の可動域が人形のようにガクガクとして
わびしい

埋めこまれた悲しみは暴力で吐き出すしかない
全部が好きだったはずのきのうに戻れない
輪郭だけでは生きれないから


(以下は脱詩*したバージョン) *脱詩する(depoetise)=リリシズムを排し、断片化・先鋭化する

衆人車両は破、地図まっぷ断つ
劫火、豪豪快快 影るる人々
粉砕す、ガラす、窓から出腕 ひっつか名み
衆人車、出っ発おん名ままそ
のカーブ強滑走、残おん音
後背

な無名名者=己おつかつ停場場|棒、粛々ナン
奇々して気が餓鬼の飢餓 胃が歪捻、微々しびれ転
虚貨幣空無、直・逃走せ足無明、無名、解 ゆい
かこつ骨コツ無く泣く、慨々ろう
虚弱輩
内臓内酷悪惨時、憤怒噴出が独希
まったくも全、方、好々や得たが否認悲行
沿う線、
不身体不形態そくて無生むたく

2024/11/18

クジラウオ

全生物がねむった

夢を見ているのか つんざく咆哮のとどろき

すら まぶたの闇を突き通せない

予兆も希望もなく ただ茫洋とした空の海を

途方もない巨体が のんのんとわたりはじめる

その目は初めからふさがれ

光という光を吸いこんだ 何千年も

あとは体に刻まれたうたを 沈黙でうたう

るううらら るううらら

線が走ってきて新しい血管となる

運んでいるのは音の粒だ

その先でぽつりと また新しいうたが刻まれる

果てしのない循環

今や音も光も空も海も すべて封じられた

次の咆哮までに 風も化石となるだろう



※この詩は中島弘貴さんの写真からイメージして作りました。
https://www.instagram.com/p/C3pVM6vSupo/

2024/11/16

深更の丈

艦砲射撃の煙幕の夜

しとねにばらまかれた嫉妬の札を

集める指先の冷たさよ

かさねの上張りと下張りのすきまに

祈るように差し入れられた手が

深く隠していた羞恥をなでまわす

心は冬の空のように燃えあがり

赤子のよだれのような濃密さで空無を

ぬわぬわと染め上げてゆく、光

その私のみだらな口唇を

夜更けの空は振り返るようにして

盗み見ている



※この詩は中島弘貴さんの写真からイメージして作りました。
https://www.instagram.com/p/C6vkjdHyJ8U/

2024/07/24

脱臼文脈

夏のアジアの腐ったうつくしい便ゾーン、から見る朝焼け
がんっと見開いた血走りまなこからビーム
微細なぷるぷる痙攣のさきを突っ走る、神経と死の列車
がんじがらめの欲望にムチ入れロウソクたらし、遅々ちち浪々ろうろう
街の腐臭にまぎれて放屁、老人の勇ましき下半身が空中合体して機械獣
発糞はぽっとん奈落の底へ、妄想が高層へ深層へと右往左往そうしよう
処刑台に掲げられた女教授のうつくしい手首に浮き出るスジ2本に
陰鬱な破戒僧マンクの舌が上下している快楽城の午後ではある

毛をむしられたドバトの鳥肌がぶつぶつと泡おどる
大門から聞こえる呪文のかたちに有刺鉄線のみちみち
現実が人間に見せる無邪気な幻術を幻想というのなら、
この夢もまた滑稽に脱臼しただけの文脈なのだ
激しく隆起する海岸でひろった淫猥な生き物図鑑
に載っていた汚れた古写真の記憶をしぼり出す

分厚いゴム手袋をはめて軽快に手術を
永遠にうるおうトポロジー
土鳩がしゃべくるフィロソフィー
危険な描線はホルマリン漬けにしておけ
太古の矢尻のようなメスで白い腹をまっすぐに裂いていく
亜空を見つめるうつろなかんばせに呼びかけてみても虚しい
未来形で書かれた昔話を暗唱すれば、黒目がぐるりと後ろを向く

2024/07/22

夜への神話

アナコンダは沼から起立しおろかな虹色の太陽柱になった。幾何学のかたちをした猛獣が地面からかたどられると、すぐさま柱のよこっ腹にみついて引きちぎった。らう、と蛇はひと声ないて垂直な夜に向かってやわらかい腹を割ると、血も液もないプラスチックのように乾いたはらわたが、まっすぐに跳び出て夜の板を突きやぶった。おかしいかおかしくないか、下半身だけで返事してお尻をまくり上げたまま爪先立ちでポーズするから見てごらん。頭の太陽はぐらっとゆれて、ゆらんゆらん、ぼろん、と背後に落っこちた。形式美のニキビまみれの白眼で蛇の頭がにらみつけても、知らない。轟々と風の吹く静かな湖面から月が生まれて夜は、不完全のまま満ちることにひたすらにとらわれの心。蛇の産卵はなはなだしくも翻筋斗もんどりうって割れ目をひきさき出るわ出るわの大出玉。殻の内側から見る世界のそら美しさ、はかない惰夢をつみかさねるだけでただもう無駄に夢のダムは大決壊、とほうもない夢の濁流と化す。大樹の幹のような太い河、一本。その穂先で夜は描きなおされ、きょとんと空に置かれている。無情となげいてみても虚しい夜空、一本の線が飛んできてにやにや笑いをつけたしていった。すべての卵はかえり、平らな夜の揺籃の上をすうすうとすべりおちたあと、濁流にのまれてすべてつぶれた。蛇の頭が遅い涙で滂沱ぼうだしているがそれもまた、奇妙な夜から朝への緞帳どんちょうだった。

2024/04/10

空気イス男

空気イスに座る男が

目を裏返して脳の闇を見ている

雨の洞窟

割礼の記憶

激痛が呼び起こされ

尖った眼球が脳を刺す

あごがガタガタとふるえ

ついには外れて膝に乗る

間髪入れずにだらりと長い舌が

シュルシュルとコードを巻くように

引っこんで男の気道を容赦なくふさいだ

ギョボッ

イェッ イッ カハッ

弾むように全身が跳ね上がると

まもなくグタッと絶命した

ぽっかり空いた口から

主人あるじを失った舌が

蚯蚓みみずのように

テュルテュルと這い出てきて

屍を舐めはじめた

音もなく

血をたぎらせた

一羽のカラスが滑空し

男の舌をくわえて飛び去る

涙をなくした男は

泣くこともできず

ただ腐っている

2024/04/04

おれの助走は犬より長い

ゆっくりと刀を抜く

番傘は雨でびしょ濡れ

ふんどしが洞窟のように冷たい

蛙もつらにしょんべんを浴びる

「おどれら!」

と言おうとして、「お」から激しくども

まだ刀は、抜いている途中

闇にならぶ濁った目、目、目、目、

面倒なので「お、お、おいッ」とだけ言って走る

ザバッシャバシャシャシャッ、としぶきが上がる

めちゃくちゃに路地を曲がると猫がいる

窮鼠きゅうそ猫を噛むいやいやいや噛めないって

時系列昇順降順無関係にだばだばと襲い来る、敵々の刀々のあめあられ

を、くねくねとよけながら踊る

路地裏ダンスホール

やがて雨は、

やんだ

おれは屍となって仰向けのまま鉛色の空を見ている

どうやらもう少しで刀が抜けそうだ

おれの刀は犬より長い

可塑的な結婚

ありあまる感情を不出来な箱につめこんで

引き出物として差しだす、それはただれた欲望

吹き出物だらけの美しい顔で、微笑まれても困惑

式場に林立する、反吐をかためて作った人形たち

すべてのペニスはねじ曲がっていて役にたない

オーヴェロバァ〜〜〜

新郎、新、ガーガーピーピー、郎はガーガーピーピー、どこですか

おお、舞台そでで倒れて泡を吹いているじゃあないですか

さすが新婦だ 仕事が早い…ひそひそ声がホールにこだまする

カ・カ・カ・カッ

長いですからね、ご覧なさいあのハイヒーーールを…

オーヴラヴォ〜〜〜

盛大な拍手を! 拍手を!

ミルクを持って来い、ミルクだ

いいね、いいね、の大合唱

蛆ひとつわいていない、ご覧なさいあの美体を…

神聖なる新婦です

記念にどうです踏みつぶしていきませんか、ここに新しい新郎野郎です

写真を撮るのも良いですね、写真屋はあそこで裸踊りをしていますから

おや、笑いすぎて血を吐いた

楽団は演奏を開始

箱を開けると小さな式場だ

欲望が詰まった婚姻式だ

2024/03/31

歯科助手の手記(野球の中継-2)

コーチャーのハンドサインは

「脳を割れ、」

すばやい視線で敵を斬る 7人倒れた

おれはZUGAI頭蓋を引き裂いて立つ

NOUがプルルと震える

テレビのなかは生臭い水で満ちて、冷臓庫のHARAWATA臓物が泳いでいる

走り出せ、牽制球を恐れるな、まだ間に合う

深夜のドゥーム

暗闇が目を射る

白い女が見舞い姿で立っている 客席

もう昨日には死んだんだ

おれが遺書を書いたんだ

ブルーインクでおれ宛に

コーチャーはヤニ枯れた歯で笑う

右上2番C1、3番C2、飛んで飛んで6番C4

丸見えになるカリエスたち

を、おれは暗算そらで読み上げる

感情を捨てろ 紙に描いて捨てろ

もう脇腹が痛くてしかたない

滑りこんで白煙が上がる

OUT!!

2024/01/25

野球の中継

ストライクコース、ど真ん中!
思い切りスイングしておまえの頭を叩く
軽い打撃音のあと
頭は暗い都市の空を飛んでいく
きらめく虹色ネオン
道端で意識をうしなう詩人たち
みな踏みつけてぐしゃぐしゃの大通りを歩いていく怪獣
が、おまえの頭をキャッチして丸飲みする
糞もたれ流しだ
それでいい
それが美しい
絢爛に破壊された未来都市を突っ切っていく怪獣の内臓
のなかは、生あたたかいババアの胎内だ
おまえの頭は糞となって生まれ直すだろう
その、祝福を… !

2024/01/19

なめくじおんな

わしは好き者であるから
思いついた下衆はなんでも成する

人間の肌とか粘膜は
だいたいぬめっこいものが好物でな
脳髄はそういう触りを喜ぶようにできている

特に摩羅だな、
舌や瞼や尻の穴などもそうだ

ぬめいもの、ナメクジ、みんみず、どぜう
そんなものをたくさん捕まえてこさせてな
風呂にして入るのだが、けっこうな極楽地獄だ

やつらがわしの肉の下でな、苦しそうにのたうつのだよ
それがまた強烈な電気で、わしの神経が痺れるようなのだ

おう、おう、おう

精をこすり出してやるとな、
またいっそう身もだえて
わしにむしゃぶりついてくる

いやいや、ものの例えじゃよ
そういう女がたまにおるという話だ
山深い湯治場で飯盛りしてるような女よ

しかしまあ人間は

2024/01/14

無垢なさかな

無垢なさかな

の体をひきさいて

鉛のペニスをさしこんでいる

内臓をえぐりだし

血まみれのベッドで

さかなは息絶える

さかなの透明な絶叫は冷蔵室の空でこおりつく

さかなたちの叫びの結晶で

室ははりさけそうだ

さかなが最期に味わったのは

ぬらぬらと光る金属質な切れ味

気持ちよくいけたかい

ペニスをにぎった男の目が血走っている

口の端に、よだれ

2024/01/02

裏切りの皮膚

かわいた砂漠の皮膚のしたを

地下水のように血脈が蜿蜿うねっている

どろりとした黒い血が

おまえの欲望を溶かしこんで

わたしの熱いほとへとそそいでいる

絞めてやろうか そのだらりとしたふぐりを

おまえの喉仏がナムナムと上下するのが丸見えだ

三月十日みつきとおか 伸ばしに伸ばしたこの爪で

おまえの頸動脈をひと裂きさ

鉄錆の軋んだ音が響いて

聞こえない叫びが森にこだまするだろうよ

2023/12/31

フトモモ

たるんとしたその重みは欲望への供物

ひらかれた峡谷に彷徨いこむアナコンダを

キリキリとしめ上げてやりたい

おまえのアナコンダは小さく悲鳴を上げ

びちちびちち と、のたうちまわり

白いげろにまみれながらちぢんでゆくのさ


精気を吸って太くなったわたしのふとももは

ただ、ぶよぶよと揺れるようにわらっている

2023/12/27

冬の時代

誰だって雪の中を歩いていくような孤独を飼っている

ずぶ ずぶ ずぶ

と真っ黒い雪に足を沈めながら進むしかない

うしろからは赤い口をめくりあげた狼の群れ

この腐った身は重力のくびき

手も足も、眼球も耳朶もちぎれて飛んでゆく

錆びた鉄の森を抜ければ、雪原 


どこまでも白い ただただ白い

どんな白より、もっと白い

2023/12/26

白痴灯台(2025.11.改変)

口をあけた白痴の顔

のような灯台

広すぎる行間を、ダダダッ、ダダダッ

と一気に駆けのぼる

午後のいやらしい曳航

欲望の船を引いている

汽笛が鳴いても誰も聞かない

灯火は冷たく固まったまま

白猫も死んだ

灯台守りが狂ったからだ

カモメが死肉をつつきにやってくる

飢えた蟹たちもしだいに集まってくる

やがてこの死の塔も腐り落ちるだろう

聞くもののない崩壊のメロディ

感情のない静寂の微笑のままに

2023/12/24

自慰

手なぐさみとも言う

セックスはずっとしてない

せいきはいじる

いったあと違和感が残ってたので禁欲した

一週間やりすごしてこわごわやってみたら

ニューッて感じがあって止まりそうになったけども

そのまま突っ走ったら、いけた

なんというか

甘やかなふしぎないきだった

2023/12/23

始まりの全開陳

下腹が疼くのであけてみたら

ヴァップブァバァーッという汚らしい呪文とともに

虹色の内蔵が飛びだした

便秘が明けたときのような解放感

とともに、もう子供は産めませんというお札を貼られる

軽くなった体で不浄ともお別れ

下界の、ドス黒い人間の群れ

白目の白だけが異様にギラギラしている

そのカタマリにダイブする

いく いく いく 

ああ、何もかも

しぼり出したいしぼり出したいしぼり出したいしぼり出して

身の果てまでも心の最底辺までも出して出して出してやりたい

2023/12/01

〈現代詩と詩集について〉

○ 現代の詩とはどのようなものか ※現代詩とは現在書かれている詩すべてを指す名称である

 A. 社会、思想、歴史、学術、芸術などのテーマを内包あるいは背景にしたもの
 B. パーソナルな感情や人とのやり取りから生まれるもの
 C. 作家の内部で生じた心象、強い衝動、欲求
 D. 背景も主題もない、純粋な言語表現 言語的な遊戯・冒険

 …等々

○「詩人が書き、詩人が読むだけ」という閉鎖性、本当にそうなのか

○ 詩は偏在している、あらゆる文は詩である、と言える
 言語も詩もただそこにある 皆が読んで楽しんだり感じている

○ たとえ小便器であっても、署名され美術館に置かれることでアート作品に変わる
 (美術館は鑑賞者を担保するための装置、市場価値を付加する背徳的側面もある)

○ 詩集というパッケージの意味と価値は? 市場的価値を希求することの無意味さ
 紙の書籍そのものの市場が縮小している 個人出版は旺盛
 高価な詩集、凝った装丁の詩集などはコレクターアイテム化か
 詩を読むという手触りや手応えを叶える、親しみやすく、手が届き、手に残るもの

たとえば20ページほどの平綴じ小冊子(zine)、コンビニのネットプリントなど
消費スピードは加速されるだろうが、それでも繰り返し読まれる作品はきっとある
小さな詩体験のその先に、厚い詩集が存在する(読者にだけでなく作家にとっても)
また、言葉そのものをモノ化、インスタレーション化、静止画・動画化する手法も増えてきた
新たな形態・媒体を工夫したり生み出すこともまた創作の一端である 奇想天外にやりたい
まずは、好き勝手に詩を作れ、詩や言葉を楽しめ、であるが。

── そもそも「作品」とは何か? ──

作品は鑑賞によって完成する
 作品は各人が自由に鑑賞して良い = 一つの作品は鑑賞者の数だけ〈多作品化〉する
 作家さえも自分の作品を独占すべきでない = 自由な鑑賞がない創作物を作品とは呼べない

○作品に鑑賞文を添えて「完成された作品」として提示されるのが正しい在り方かもしれない(SNSでは浅すぎるし、各人のブログでは遠すぎる)。たとえば感想が併記された作品集などがあってもいいだろう。